相撲の世界にも様々なしきたりや作法といったものがあり、土俵での取り組み以外にも多くの「伝統」が土俵の周りには息づいています。白熱する取組みを見るだけではなく、この小さな「相撲の世界」に少し目をやると、更に楽しくなるはずです。
そんなちょっとした「相撲の“???”」をご紹介致します。
ココが知りたい!!『相撲の世界』
相撲でよく力士が使う「水・紙・塩」にはどんな意味がある?
『水』
力士が口をすすぎ身を清めるための水で、全力で戦う水杯に通じています。「力水」「化粧水」「清めの水」ともいい、十両以上の取組でないとしようできません。江戸時代の朱塗りの大杯に代わって昭和16年1月より柄杓(ひしゃく)が使用されるようになりました。東方は赤房、西方は白房の土俵下「に手桶を備えています。
『紙』
力士が口元をぬぐったり、体を清めるために使います。半紙を半分に切ったもので、水桶の上に備えています。「力紙」「化粧紙」ともいい、1場所で2,000枚用意されています。
『塩』
土俵の邪気を祓い清め、神に祈る意味で撒く塩は「清めの塩」といわれ、竹製のザルにいれ、東西にそれぞれ置かれています。1日45キログラム、15日間で約650キログラム以上の塩が用意されています。
土俵の大きさって決まっているの?
土俵の直径は、土俵のできた江戸時代当初より13尺(3m94cm)でした。これは二人の人間が手をつないで伸ばした手で円形を描いた大きさが、最も適した広さとされていたからです。
昭和6年(1931)4月29日の天覧相撲から現在の15尺(4m55cm)となりました。土俵を広げた理由は「相撲独特の瞬間的勝負の醍醐味を少しでも長く見てもらうため」と日本相撲協会が発表しています。
現在、土俵は、「高さが34〜60cm、一辺が6m70cmの正方形に土を盛り、その中央に直径4m55cmの円を20俵の俵で作る」と決められています。
土俵の中には物が入っていると聞きましたが何が入っているのですか?
「土俵には金が埋まっている」と言われます。
実際には縁起を担ぐ意味で勝栗や昆布・米・スルメ・塩などが神への供物として埋められています。
まわしは広げたら何メートルくらいになるのですか?
まわしは6〜8mほどの長さがあり、縦方向に数回折り込んで腰に締めこみます。
因みに素材は、雲斎木綿または帆布と呼ばれる硬い木綿布で出来ています。
『新相撲』ってご存知ですか?
1996年に誕生した女子が行うアマチュア相撲競技のことです。
オリンピックの正式競技にすることを目標にしている財団法人日本相撲連盟が、オリンピック競技となるには女子での普及実績が重要なため、女子相撲の普及促進を目指すことにしました。
しかしながら女子が相撲を行うことに抵抗感がある人が日本には多いこともあり、これを「新相撲」と名づけ、相撲とは違う競技かの様に装い1996年に連盟の加盟団体として日本新相撲連盟を発足させました。
1996年に大阪で第1回全国新相撲選手権大会が行われたのが日本における新相撲の全国大会の最初で、以降第2回と第3回は1月に、それ以降は毎年9月に大阪府堺市で全国大会が開催されています。
また日本だけでなく世界にも広まってきており、1999年にはドイツで初めての国際大会が開催されました。
現在では毎年10月に世界新相撲選手権大会が開催されています。
アマチュア相撲とは?
アマチュア相撲は、日本相撲協会に所属するプロではない、一般の選手が行う相撲競技のことを指します。おおまかには、大学相撲や実業団相撲のことを指します。
なお、日本相撲協会に所属した経験のあるものでも、現役時代の地位によってはアマチュア復帰が認められることもあります。国内競技団体は日本相撲連盟。国際競技団体(IF)は国際相撲連盟になります。
『ハッキヨイ ノコッタ』の意味ってご存知ですか?
「ハッキヨイ」とは「発気揚揚」がつまったもので、気分を高めて全力で勝負しようという意味があります。さらに「ノコッタ」は「残った」の意味で、両力士とも土俵に残っている、勝負がまだついていないと知らせています。
がっぷり組んで動かないときは「ハッキヨイ」技をかけている場合は「ノコッタ」の声をかけます。